トレボン乳剤の使い方|希釈倍率・薬液の作り方と散布の注意点

ボトルを手に取ったものの、ラベルには細かな文字がびっしり。「結局、水1Lに何mL入れればいいの?」と、そこで手が止まりませんか?
トレボン乳剤は水で薄めて使う殺虫剤ですが、どの植物にも同じ倍率で使えるわけではありません。先に作物と害虫を確かめて、それから必要な原液量を計算する。この順番で見ると、ラベルの数字がつながってきます。
ここでは、家庭菜園や庭木で使う前に知っておきたいことを、準備から片付けまで順にまとめました。倍率がすでに分かっている方は、下の計算表からどうぞ。
情報確認日:2026年9月27日。対象は登録第16758号のトレボン乳剤です。使用前には、手元の製品ラベルと最新の登録内容を照合してください。
参考:メーカーの製品情報 / 農林水産省の登録情報
トレボン乳剤の使い方は、ラベルの「作物と害虫」から

「野菜なら1000倍」と、ひとまとめにしない
ラベルを見ると、つい「1000倍」「2000倍」の数字を先に探したくなります。でも、同じトレボン乳剤でも、作物と害虫が変われば登録されている条件も変わります。
例えば、なすのアブラムシ類は1000〜2000倍ですが、なすのコナジラミ類は1000倍。同じなすでも、虫が違うと読み取る行が変わるんですね。
| 作物・害虫の例 | 登録されている条件(散布) |
|---|---|
| きゅうり アブラムシ類 | 1000倍/100〜300L/10a 収穫前日まで/本剤3回以内 エトフェンプロックス総使用3回以内 |
| なす アブラムシ類 | 1000〜2000倍/100〜300L/10a 収穫前日まで/本剤3回以内 エトフェンプロックス総使用3回以内 |
| なす コナジラミ類 | 1000倍/100〜300L/10a 収穫前日まで/本剤3回以内 エトフェンプロックス総使用3回以内 |
上の表は登録内容の一部です。10aは1000㎡。庭の広さや株数を見ずに、この液量をそのまま使うという意味ではありません。ほかの作物・害虫は、必ず該当する行を確認してください。
私が適用表で気になったところ
「野菜に使える」だけでは、まだ確認が足りないんです。私は記事をまとめるときも、作物名と虫の名前を一組にして見ています。倍率だけ抜き出すと、ここを取り違えやすいので。
収穫までの日数と、使える回数も一緒に見る
倍率が合っていても、収穫直前だったり、すでに使用回数の上限に達していたりすれば、その条件では使えません。希釈倍数・使用液量・使用時期・使用回数・使用方法まで、同じ行で確認します。
「本剤の使用回数」と「エトフェンプロックスを含む農薬の総使用回数」は別の欄です。別の商品を使った分も数える必要があるため、これまでに使った農薬の成分も見ておきましょう。
参考:使用条件と総使用回数
庭木・花に使うときの確認も忘れずに
樹木類にも登録がありますが、対象の害虫や樹種によって読む行が分かれます。「庭木だから野菜と同じ倍率で」とはせず、除外されている樹種や注意事項も確認してください。
参考:樹木類・花き類の適用表
これから購入する方も、名前は「トレボン」だけでなく「乳剤」まで確認を。下の商品表示は100mLタイプです。
トレボン乳剤は何mL入れる?希釈液の作り方
使う倍率が決まったら、次は量の計算です。ここからはラベルで確認した倍率の薬液を、何L作るかという話になります。下の表から倍率を選ぶのではなく、先にラベルで決めてくださいね。

1L・2L・5Lを作るときの原液量
必要な原液量(mL)=作る薬液の量(L)×1000÷希釈倍率
1000倍の薬液を1L作るなら、原液は1mL。水を加えて、原液も含めた全量を1Lにします。
| 作る薬液量 | 1000倍 | 2000倍 | 4000倍 |
|---|---|---|---|
| 1L | 1mL | 0.5mL | 0.25mL |
| 2L | 2mL | 1mL | 0.5mL |
| 5L | 5mL | 2.5mL | 1.25mL |
計算表は希釈の算数を示したものです。4000倍を含め、記載した倍率がすべての作物・害虫に使えるわけではありません。
参考:希釈倍数と薬液量の考え方
「1mLって、キャップで量ってもいい?」
目盛りや容量が分からないキャップで、だいたいの量を入れるのは避けましょう。クロップライフジャパンは、1mLの計量には目盛り付きスポイトを案内しています。0.5mLなど少量を量るなら、その量を読める器具を用意してください。
参考:少量の液剤の量り方
水を先に用意し、最後に全量を合わせる
「原液を入れてから、あわてて水を探す」より、必要な水と計量器具を先にそろえておく方が作業しやすいはずです。保護眼鏡や手袋などは、原液を量る前から着けてください。
- 容器や噴霧器に、予定する全量より少ない水を入れる
- 必要な原液を計量して加え、よく混ぜる
- 水を足して予定の全量に合わせ、再び均一に混ぜる
例えば1000倍液を2L作るなら、原液2mLを使い、最後に全量を2Lに合わせます。容器は農薬用と分かるものを使い、飲料のペットボトルや調理用の器具と共用しないでください。
参考:薬液の調製方法 / 取扱い時の保護・保管上の注意
大きい容器ほど便利そうに見えますが、使い切れない量を作ってしまうと片付けに困ります。まずは必要な薬液量を決めてから、原液の容量を選びましょう。100mLタイプを確認する方はこちらです。
トレボン乳剤の散布手順|準備から片付けまで

原液を開ける前に、防護具と周囲を確認
少しだけ使うつもりでも、原液を注ぐときに飛びはねることは考えておきたいところです。メーカーの指示に合う農薬用マスク、手袋、長袖・長ズボンの作業衣を用意し、調製時は保護眼鏡も着けます。
SDSには不浸透性の保護具や有機ガス用防毒マスクの記載もあります。普段の不織布マスクで代用できるとは考えず、製品と作業に合うものを販売店などに確認してください。
参考:SDS第8項・保護具 / メーカーの安全使用上の注意
噴霧器の漏れや詰まりも、薬液を入れる前に点検します。子どもやペットが近づかないか、隣の洗濯物や車に霧が流れないか。薬液を作る前に、庭の周りを一度見ておきましょう。
風に流されない条件で、対象にむらなく散布
散布するときは、登録された使用方法と液量を守り、対象にむらなく届くようにします。風が強い、雨が降りそう、霧が隣へ流れる。そんな日は、無理に始めない判断も必要です。
トレボン乳剤はミツバチや水生生物への配慮も欠かせません。巣箱やその周辺へ飛散するおそれがある場合は使用せず、養殖池などの周辺での使用も避けます。詳しい条件は製品の注意事項を確認してください。
余った液は流さず、器具を洗って使用内容を残す
散布が終わると、ほっとして片付けを後回しにしたくなるかもしれません。でも、噴霧器に液を残しておくところまで含めて「終わり」にはしないでください。
- 薬液は必要な分だけ作り、作り置きしない
- 残液や洗浄水を、排水口・側溝・河川へ流さない
- 保護具を着けたまま器具を洗浄し、その後、体を洗って作業衣を着替える
- 原液は元の容器で密栓し、火気を避け、食品などと分けて施錠保管する
余ったからといって、使用量や回数を超えて追加散布するのは避けてください。使い切れない残液の処理は、販売店などに相談しましょう。
参考:薬液の作り置き / 余った薬液の扱い / 器具の洗浄 / 保管上の注意
書き残すなら、これだけでも
散布した日/作物と害虫/製品名と成分/希釈倍率/使用液量/今回までの使用回数。次に使うとき、「前は何を何回まいたんだっけ?」を減らすためのメモです。
目や皮膚についた、吸い込んで気分が悪いなどの場合は作業を中止し、製品の応急措置に従ってください。目に入った場合は直ちに十分に水洗し、眼科医の手当を受けるようメーカーが案内しています。
参考:事故時の対応
購入前は「乳剤」と容量を確認。道具も一緒に見直す
同じトレボンの名前でも、粒剤など別の剤型と取り違えないようにしてください。このページで扱っているのは、水で薄めて散布するトレボン乳剤です。
メーカーの製品情報には100mLと500mLの包装が掲載されています。庭で使う量が少ないなら、値段だけで大きい方を選ぶより、使う予定と保管場所、容器の有効期限まで考えておきたいですね。
参考:製品名・包装・有効年限
トレボン乳剤100mLを確認する
商品名・容量・販売者を確かめてから選んでください。
原液だけ買っても、量れる道具がなければ調製できません。少量まで読める計量器具と、農薬に対応した噴霧器、防護具がそろっているかも確認しておきましょう。
買い足す前のチェック
- 計量器具は、必要な原液量を正確に読めるか
- 噴霧器は、農薬への対応と部品の状態を確認できるか
- 保護具は、製品ラベル・SDSの指示に合っているか
トレボン乳剤の使い方で迷いやすいこと
濃さを間違えたかも。水を足せば使える?
原液と水をそれぞれ何mL入れたか分かるなら、濃度は計算できます。ただ、入れた量が曖昧なまま、見た目で水を足して使うのは避けてください。容器の情報と、分かる範囲の調製量を伝え、販売店に相談しましょう。
修正後の量が多すぎて使い切れない場合も、余りを捨てる前提で散布を始めないようにしてください。
「トマト」に使えるなら、ミニトマトも同じ?
農薬登録では、トマトとミニトマトは別の作物として扱われます。大きさが違うだけ、とは考えないでください。手元の製品が、使いたい作物に登録されているかを確認する必要があります。
参考:トマトとミニトマトの扱い
ほかの農薬と混ぜれば、一度で済ませられる?
一度で済むなら楽ですが、混ぜてよいかは別の話です。自己判断での混用はせず、両方の製品名をそろえてメーカーや販売店に確認してください。それぞれのラベルに合うことも必要です。
参考:農薬の現地混用について
雨が降ったらすぐにまき直す?効果は何日続く?
雨に当たっても、その散布は使用回数に含めます。「流れたからノーカウント」とはできません。まき直す前に、虫や被害の様子と、残りの使用回数を確認してください。
効き目が続く期間も、すべての条件に同じ日数を当てはめるのは避けたいところです。効果期間と再散布の考え方は、別記事で詳しく整理しています。
参考:雨で流れた場合の使用回数
「収穫前日まで」なら、翌朝に収穫していい?
クロップライフジャパンは、収穫前日までの使用は原則として収穫開始の24時間より前と案内しています。夜に散布して、日付が変わった翌朝に収穫する、という数え方ではありません。
参考:「収穫前日まで」の考え方
まとめ|迷ったら、薄める前にラベルへ戻ろう
トレボン乳剤は、最初に倍率だけ覚えるより、何に使うかを確かめてから量を決める方が、手順を整理しやすくなります。
作物と害虫を合わせる。必要な量を計算する。防護具と周囲を確認してから使う。慌てて全部を覚えなくても、迷ったところでラベルに戻れば大丈夫です。不明な条件はそのまま進めず、販売店に確認してください。
使う条件と道具がそろった方は、最後に商品名と容量をもう一度。購入ページの写真だけで、使える作物や薄め方を決めないようにしましょう。
関連する記事・参考サイト
別の薬剤について調べている方向けの記事です。トレボン乳剤の代わりに、そのまま同じ条件で使えるという案内ではありません。
農研機構 / 日本植物防疫協会 / クロップライフジャパン
確認資料:農林水産省の登録情報、メーカー製品情報・製品概要(2025年10月7日現在)、SDS(2024年10月1日改訂)、クロップライフジャパンの使用案内。2026年9月27日確認。図は説明用で、実物のラベル・商品写真ではありません。
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[…] 作物・害虫・使用回数を照合してから選び、エルサンを散布していた感覚のまま、同じ日数おきに追加散布しないでください。ラベルの読み方は、トレボン乳剤の使い方も参考になります。 […]