スミチオン乳剤は販売終了?2026年9月の理由と代替品を徹底調査

長年愛用されてきたスミチオン乳剤の販売終了が決定し、多くの園芸愛好者や農家の方が困惑されています。
長年使われてきた殺虫剤「スミチオン乳剤」について、最近ネット上で「2026年9月で販売終了するらしい」という情報を見かけて、不安になっている方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、通常のスミチオン乳剤そのものが2026年9月末で完全に販売終了する、とは現時点で断定できません。
確認できる資料では、スミチオン乳剤とスミチオン水和剤40は、廃止予定から一転して販売継続・登録維持見込みとされています。一方で、スミチオン粉剤3DL、スミチオン乳剤70、トラサイドA乳剤、サッチュウコートSセットなど一部のMEP剤は、2026年9月に販売終了予定とされています。
つまり、「スミチオン」という名前が付く製品の一部に販売終了予定があるのは事実ですが、スミチオン乳剤全体が一斉に消える、という理解は正確ではありません。
この記事では、スミチオン乳剤の販売終了情報について、できるだけ誤解のないように整理しながら、代替品を選ぶときの注意点まで分かりやすく解説します。
この記事を読むと分かること:
- スミチオン乳剤は本当に販売終了するのか
- 2026年9月に販売終了予定とされている製品
- スミチオン乳剤70や粉剤3DLとの違い
- 代替品を選ぶときに確認すべきポイント
- 手持ちのスミチオンを使うときの注意点
(読了時間:約6分)


※一部誤りがあり記事を一部訂正致しました。 ご迷惑をおかけし申し訳ございません。
スミチオン乳剤販売終了の詳細と代替品を解説
販売終了スケジュールと対象製品
まず大事なのは、「スミチオン乳剤」と「スミチオン乳剤70」は別製品として考える必要があるという点です。
通常のスミチオン乳剤は、農林水産省の農薬登録情報提供システムで「住化スミチオン乳剤」として登録番号4962が確認できます。有効成分はMEP50.0%のMEP乳剤です。
一方、スミチオン乳剤70は、登録番号11344の「住化スミチオン乳剤70」で、有効成分MEP70.0%の茶向け高含有製剤です。
確認できた情報を整理すると、次のようになります。
| 製品名 | 現時点で確認できる状況 | 補足 |
|---|---|---|
| スミチオン乳剤 | 販売継続・登録維持見込みとされている | 通常のMEP50.0%乳剤。2026年9月末で完全終了とは確認できない |
| スミチオン水和剤40 | 販売継続に変更された品目として掲載 | JA資料では「販売終了」から「登録変更(販売継続)」へ変更 |
| スミチオン粉剤3DL | 2026年9月販売終了予定に含まれる | 稲・だいず・休耕田のカメムシ類などに使われる粉剤 |
| スミチオン乳剤70 | 2026年9月販売終了予定に含まれる | 茶専用の高含有製剤 |
| 日産スミチオン乳剤 | 登録失効済み | 令和7年1月15日失効、理由は「今後の販売予定がないため」 |
このように見ると、「スミチオン乳剤が全部なくなる」というより、製品ごとに状況が違うと考えるのが正確です。
特に家庭菜園や園芸で一般的に見かけるスミチオン乳剤については、販売終了情報だけを見て慌てて買いだめする前に、手元の製品名・登録番号・ラベルを確認するのがおすすめです。
| 製品名 | 販売終了時期 | amazon |
|---|---|---|
| スミチオン乳剤(住友化学) | 2026年9月末 | 購入はこちら |
| 日産スミチオン乳剤 | 販売終了済み | 購入不可 |
| スミチオン水和剤40 | 2026年9月末 | 購入はこちら |
| スミチオン粉剤3DL | 2026年9月末 | 購入はこちら |
このように見ると、「スミチオン乳剤が全部なくなる」というより、製品ごとに状況が違うと考えるのが正確です。
特に家庭菜園や園芸で一般的に見かけるスミチオン乳剤については、販売終了情報だけを見て慌てて買いだめする前に、手元の製品名・登録番号・ラベルを確認するのがおすすめです。
販売終了と誤解されやすい3つの背景
「スミチオン乳剤が販売終了する」と誤解されやすい背景には、主に3つのポイントがあります。
① スミチオンという名前の製品が複数ある
スミチオンには、乳剤、水和剤、粉剤、乳剤70など、似た名前の製品があります。
そのため、スミチオン乳剤70の販売終了予定や、スミチオン粉剤3DLの販売終了予定が、いつの間にか「スミチオン乳剤そのものが販売終了」と広がってしまう可能性があります。
通常のスミチオン乳剤はMEP50.0%、スミチオン乳剤70はMEP70.0%で、用途や登録内容も異なります。住友化学のi-農力でも、スミチオン乳剤は登録番号4962、有効成分MEP50.0%、有効年限5年の製品として掲載されています。
② 一部のMEP剤には販売終了予定がある
「スミチオン全体の終了」ではありませんが、一部のMEP剤に販売終了予定があるのは事実です。
JA熊本経済連の資料では、スミチオン粉剤3DL、スミチオン乳剤70、トラサイドA乳剤、サッチュウコートSセットなどは2026年9月に販売終了とされています。
このため、これらの製品を実際に使っている農家や園芸ユーザーは、早めにJAや農薬販売店へ確認した方が安心です。
③ 農薬の登録内容は変更されることがある
農薬は一度登録されたらずっと同じ内容で使えるわけではありません。
作物名、対象害虫、希釈倍数、使用時期、使用回数などは変更されることがあります。農林水産省も、使い慣れた農薬であっても使用前に必ずラベルを確認するよう案内しています。
そのため、ネット記事だけを見て判断するのではなく、次の3つを確認するのが安全です。
- 手元の製品ラベル
- 農林水産省の農薬登録情報提供システム
- メーカー公式の適用表やJA・販売店の案内
現在の在庫状況と購入可能期間
通常のスミチオン乳剤については、確認できる資料上、2026年9月末で完全に買えなくなると考える必要はありません。
一方で、スミチオン乳剤70やスミチオン粉剤3DLなど、販売終了予定に含まれる製品については、在庫がなくなり次第入手しにくくなる可能性があります。
購入前に確認したいポイントは次の通りです。
- 自分が使っている製品名は「スミチオン乳剤」なのか「スミチオン乳剤70」なのか
- 登録番号は何番か
- 使用したい作物・害虫に登録があるか
- 最終有効年月が十分に残っているか
- 販売終了予定品かどうか
特に農薬の「最終有効年月」は、製品ごとに品質を保証する期間として設定されています。FAMICも、ラベルに記載された有効年月までに使用するよう説明しています。
「とりあえず多めに買っておく」よりも、必要量を確認して、期限内に使い切れる範囲で購入するのが現実的です。
代替品選択と切り替え戦略
効果的な代替農薬比較表
スミチオン乳剤から別の農薬へ切り替える場合、単純に「これが代わり」と決めることはできません。
農薬は、作物・害虫・使用時期・希釈倍率・使用回数が製品ごとに異なるためです。
代替候補として名前が挙がりやすい製品を整理すると、次のようになります。
| 候補製品 | 主な特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| モスピラン顆粒水溶剤 | 有効成分はアセタミプリド20.0%。幅広い作物登録と殺虫スペクトルが特徴 | 医薬用外劇物。購入・保管・使用時の管理に注意 |
| ダントツ水溶剤 | 有効成分はクロチアニジン16.0%。果樹・野菜・茶・水稲・花きなどに使われる | 作物ごとの使用時期・回数を必ず確認 |
| トレボン乳剤 | 有効成分はエトフェンプロックス20.0%。水稲、野菜、樹木類など幅広い作物で使用 | 乳剤なので希釈倍率や危険物表示を確認 |
| オルトラン水和剤 | 有効成分はアセフェート50.0%。アブラムシ類、アザミウマ類などに使われる | 殺虫剤分類は1Bで、スミチオンと同じ系統のためローテーションには注意 |
| ベニカシリーズ | 家庭園芸向けで使いやすい製品が多い | 「ベニカX」だけでは製品が特定できない。正確な商品名とラベル確認が必要 |
ここで注意したいのは、「ネオニコチノイド系なら何でも安全」「オルトランなら何にでも使える」といった単純な判断はできないということです。
農薬は、製品ごとに登録内容が違います。たとえば同じアブラムシ対策でも、トマトに使えるもの、きゅうりに使えるもの、収穫前日まで使えるもの、数日前までしか使えないものがあります。
代替品を選ぶときは、まず次の順番で確認しましょう。
- 使いたい作物名
- 防除したい害虫名
- 収穫までの日数
- 希釈倍率・使用量
- 本剤の使用回数
- 同じ有効成分を含む農薬の総使用回数
切り替え時の3つのポイント
① 商品名だけで選ばない
農薬選びで一番危険なのは、「アブラムシに効くと書いてあるから大丈夫」と思い込むことです。
農薬は、作物名まで一致していないと使えません。
たとえば「トマト」と「ミニトマト」、「ねぎ」と「葉ねぎ」のように、似た名前でも農薬登録上は別扱いになることがあります。農林水産省も、名前や形状が似た農作物に使えると思い込んで誤使用するケースに注意を促しています。
② ローテーションは有効成分・作用機構で考える
同じ系統の農薬を続けて使うと、害虫が効きにくくなるリスクがあります。
スミチオン乳剤は、MEPを有効成分とする有機リン系殺虫剤で、RACコードは殺虫剤分類1Bです。
オルトラン水和剤も、殺虫剤分類1Bのアセフェート水和剤です。つまり、オルトランは便利な薬剤ではありますが、スミチオンと同じ1B系統なので、抵抗性対策のローテーションとしては注意が必要です。
③ 使用時期・回数は必ず最新ラベルで確認する
スミチオン乳剤の使用時期も、作物によって異なります。
確認例を挙げると、住友化学 i-農力の適用表では、トマトのアブラムシ類・オオニジュウヤホシテントウは2000倍、収穫前日まで、2回以内です。きゅうりのアザミウマ類は1000倍、アブラムシ類は1000〜2000倍、いずれも収穫前日まで、5回以内です。
また、稲の散布用途では多くが収穫21日前まで、2回以内となっています。
ネット上では「トマトは収穫3日前まで」「稲は収穫14日前まで」といった古い情報や誤った情報が出ていることもあります。必ず最新のラベル・適用表を確認しましょう。
購入可能な代替品と販売店
代替品は、ホームセンター、JA、農薬専門店、通販サイトなどで購入できます。
ただし、買う場所によって向いている製品が違います。
ホームセンターで購入しやすい製品
ホームセンターでは、家庭園芸向けの少量タイプやスプレータイプが中心です。
家庭菜園や庭木の管理であれば、あらかじめ希釈されているスプレー剤の方が扱いやすい場合もあります。ただし、ベニカシリーズのように似た名前の製品が多いものは、必ず正確な商品名とラベルを確認してください。
JA・農薬専門店で相談しやすい製品
農家向けの本格的な防除であれば、JAや農薬専門店で相談するのが安心です。
特に水稲、果樹、茶、だいずなどでは、地域ごとの発生害虫や防除暦があるため、自己判断だけで代替品を決めるよりも、地域の指導に合わせた方が失敗しにくくなります。
通販サイトで購入する場合
通販サイトは便利ですが、農薬を購入するときは次の点を確認しましょう。
- 登録番号が記載されているか
- 最終有効年月が十分に残っているか
- 販売者が信頼できるか
- 使用したい作物・害虫に登録があるか
- ラベル画像や適用表が確認できるか
農薬はラベルに記載された事項を守ることが基本です。クロップライフジャパンも、適用のない食用作物への使用、濃度超過、使用時期違反、総使用回数超過は重大な問題になると説明しています。
よくある質問と専門家回答
Q1: スミチオン乳剤は完全に中止になるのですか?
A: 現時点で確認できる資料では、通常のスミチオン乳剤が2026年9月末で完全に販売終了するとは断定できません。
JA熊本経済連の資料では、スミチオン乳剤とスミチオン水和剤40は、廃止予定から一転して販売継続・登録維持が決まった薬剤として掲載されています。一方で、スミチオン粉剤3DL、スミチオン乳剤70など一部MEP剤は2026年9月に販売終了予定とされています。
そのため、正しくは「スミチオン系の一部製品には販売終了予定があるが、通常のスミチオン乳剤は販売継続見込みの資料がある」と考えるのがよいでしょう。
Q2: スミチオンの人体への影響はどの程度ですか?
A: スミチオン乳剤は有機リン系殺虫剤です。住友化学 i-農力では、作用機作としてコリンエステラーゼ活性の阻害が説明されています。
また、スミチオン乳剤の毒性表示は「普通物」とされています。ただし、普通物とは「毒物及び劇物に該当しないものを指す通称」であり、無防備で使ってよいという意味ではありません。
使用時は必ずラベルを確認し、手袋、マスク、長袖、保護メガネなどを必要に応じて着用しましょう。散布後の手洗い、うがい、器具の洗浄、保管場所の管理も大切です。
Q3: 手持ちのスミチオンはいつまで使えますか?
A: 基本的には、製品ラベルに記載された最終有効年月まで使用できます。
住友化学 i-農力では、スミチオン乳剤の有効年限は5年とされています。
ただし、保管状態が悪いと品質に影響する可能性があります。直射日光を避け、食品や飼料とは別にし、子どもやペットの手が届かない場所で密封保管しましょう。
また、農薬の総使用回数は、商品ごとではなく有効成分ごとに数える必要があります。同じMEPを含む別の農薬を使っている場合、回数超過にならないよう注意してください。
Q4: スミチオンが効く虫に代替品で対応できますか?
A: 多くの場合、代替候補はあります。ただし、万能な代替品はありません。
スミチオン乳剤は、稲、野菜、果樹、花き、樹木類など、かなり幅広い作物・害虫に登録があります。代替品を選ぶ場合は、対象作物と害虫を一つずつ確認する必要があります。
たとえば、アブラムシ類ならモスピランやダントツ、チョウ目害虫ならトレボンやBT剤、アザミウマ類なら作物に応じてオルトランや別系統薬剤が候補になることがあります。
ただし、実際に使えるかどうかは、必ず製品ラベルと最新の登録情報で確認してください。迷う場合は、JA、農薬販売店、地域の病害虫防除所に相談するのが安全です。
スミチオン乳剤の販売終了情報について調べると、誤解しやすいポイントが多くあります。
重要なポイントを整理すると、次の通りです。
- 通常のスミチオン乳剤が2026年9月末で完全販売終了するとは、現時点で断定できない
- JA資料では、スミチオン乳剤とスミチオン水和剤40は販売継続・登録維持見込みとされている
- スミチオン粉剤3DL、スミチオン乳剤70など一部MEP剤は2026年9月販売終了予定
- 日産スミチオン乳剤は令和7年1月15日に登録失効済み
- 代替品は、作物・害虫・使用時期・希釈倍率・総使用回数を確認して選ぶ必要がある
- 農薬はネット情報ではなく、手元のラベル、農薬登録情報、メーカー公式適用表を優先する
今すぐできる対策は、まず手元の製品名と登録番号を確認することです。
「スミチオン乳剤」と書いてあるのか、「スミチオン乳剤70」なのか、「粉剤3DL」なのかで状況が変わります。
そのうえで、使用したい作物と害虫に登録があるか、収穫までの日数が足りるか、総使用回数を超えないかを確認しましょう。
スミチオンは長く使われてきた農薬ですが、今後は製品ごとの販売状況や登録内容を確認しながら、必要に応じて代替品へ切り替えていくことが大切です。
目次
目次
参考にした主な情報
- 農林水産省 農薬登録情報提供システム「住化スミチオン乳剤」
- 住友化学 i-農力「スミチオン乳剤」
- JA熊本経済連 生産資材部資料「LOOK No.66」
- 農林水産省「農薬ラベルを確認」
- クロップライフジャパン「農薬の使用方法」「総使用回数の数え方」
- FAMIC「農薬の使用についての質問」

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