宮坂力はノーベル賞2026候補?ペロブスカイト太陽電池とは

宮坂力(みやさか・つとむ)教授は、2026年のノーベル物理学賞・化学賞を前に注目されている日本人研究者です。世界に先駆けてペロブスカイト太陽電池を提唱・創成し、2026年には京都賞の先端技術部門を受賞しました。
ただし、ノーベル賞の正式な候補者名は50年間公表されません。宮坂教授が正式候補であると外部から確認できるわけではなく、国際的な研究評価や大学の発表をもとに受賞への期待が集まっている状況です。
情報確認:2026年10月5日。結果発表前の記事です。出典:桐蔭横浜大学・2026年ノーベル賞受賞時の会見について/NobelPrize.org・2026年発表日程
宮坂力はノーベル賞候補?公式の候補者名は非公開
ノーベル物理学賞と化学賞の推薦者・被推薦者・選考内容は、50年間秘密にされます。そのため、報道で使われる「ノーベル賞候補」は、受賞歴・論文の影響力・研究の社会的意義などから外部が予測した表現です。
桐蔭横浜大学は2026年9月、宮坂教授について「物理学賞または化学賞受賞が期待されている」と発表しました。受賞が決まった場合は、当日の19時15分から共同記者会見を行う予定です。
「候補」と「受賞予定」は別
宮坂教授の研究が世界的に高く評価されていることは確認できます。一方、ノーベル委員会が本人を候補として公表した事実はありません。結果が出るまでは、受賞を断定しないことが大切です。
出典:NobelPrize.org・物理学賞の推薦と選考/NobelPrize.org・化学賞の推薦と選考
なぜ2026年に注目?京都賞と積み重ねた国際評価
2026年に注目が強まった大きな理由は、宮坂教授が第41回京都賞の先端技術部門を受賞したことです。受賞理由は、次世代太陽光発電技術「ペロブスカイト太陽電池」の創成でした。
宮坂教授は2017年にクラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞、2022年に英国ランク賞、2024年に日本学士院賞、2025年にNIMS Awardも受賞しています。1年だけ話題になった研究ではなく、長期間にわたって評価が積み上がってきました。
2017年
引用栄誉賞
化学部門
2024年
日本学士院賞
2026年
京都賞
先端技術部門
出典:京都賞・宮坂力受賞者ページ/桐蔭横浜大学・京都賞受賞発表
ペロブスカイト太陽電池とは?何がすごいのか
薄く、軽く、曲げられる太陽電池
ペロブスカイト太陽電池は、ペロブスカイト型の結晶構造を持つ材料で光を電気へ変える太陽電池です。光を吸収する層を数µm以下まで薄くでき、フィルム状にすると軽量・柔軟に作れます。
重いシリコンパネルを載せにくい建物の壁、駅、車両、窓などにも設置できる可能性があり、日本各地で実証実験が進んでいます。
塗布・印刷に近い方法で製造できる
京都賞の解説では、溶液を塗る工程によって作れる点も革新性として挙げられています。大規模な真空装置への依存を減らし、将来的に低コストで多様な形へ展開できる可能性があります。
シリコンと組み合わせる高効率化も期待
ペロブスカイトとシリコンを重ねる「タンデム型」では、異なる波長の光を効率よく利用できます。京都賞の業績解説では、30%を超える高効率化が報告されていると紹介されています。
出典:京都賞・業績ダイジェストと業績解説/桐蔭横浜大学・フィルム型ペロブスカイト太陽電池の実証実験
実用化の課題|耐久性と鉛への対応
ペロブスカイト太陽電池は、すでにすべての場所へ設置できる完成品というわけではありません。
- 耐久性:水分や熱などに対し、長期間安定して発電する技術が必要
- 鉛:代表的な材料に鉛を含むため、封止・回収・鉛フリー材料の研究が必要
- 大面積化:小さな試験セルの性能を、大型の製品でも安定して再現する必要
- 量産:品質を保ちながら大量生産し、価格を下げる工程が必要
宮坂教授は、鉛フリー材料の探索や高度な封止技術など、社会実装の課題にも取り組んでいます。長所だけでなく、環境負荷と寿命をどう解決するかも重要な研究テーマです。
宮坂力教授の経歴|富士フイルム研究所から大学へ
宮坂力教授は1953年に神奈川県鎌倉市で生まれ、早稲田大学理工学部を卒業。東京大学大学院で工学博士を取得後、富士写真フイルムの研究所で写真材料、リチウムイオン電池材料などの研究に携わりました。
2001年に桐蔭横浜大学へ移り、現在は同大学大学院工学研究科特任教授、早稲田大学特命教授などを務めています。2006年ごろからペロブスカイトを用いた光電変換の研究を進め、2009年の論文が世界的な研究競争の起点になりました。
出典:桐蔭横浜大学・宮坂研究室プロフィール/京都賞・プロフィール
ノーベル物理学賞・化学賞は日本時間いつ発表?
物理学賞
10月6日 18:45以降
現地時間11時45分以降。受賞時は桐蔭横浜大学で同日19時15分から会見予定。
化学賞
10月7日 18:45以降
物理学賞で受賞しなかった場合も、化学賞の発表までは結果を断定できません。
ノーベル賞の発表は「18時45分ちょうど」ではなく、早くても18時45分という意味です。選考会議の進行によって遅れる場合があります。
日本科学未来館は、物理学賞・化学賞の各日17時30分から、日本語解説付きのライブ配信を予定しています。
出典:NobelPrize.org・2026年発表日程/日本科学未来館・ノーベル賞2026ライブ配信
受賞しなかった場合も、研究の価値は変わらない
京都賞や引用栄誉賞を受けた研究者が、その年に必ずノーベル賞を受賞するわけではありません。受賞分野・共同研究者・選考時期などは外部から分からず、毎年の予想には不確実性があります。
宮坂教授が2026年に受賞しなかったとしても、ペロブスカイト太陽電池を世界的な研究分野へ発展させた功績や、実用化へ向けた評価が消えるわけではありません。
発表後は、受賞者名だけでなく、ノーベル財団が示す正式な受賞理由を確認します。宮坂教授が受賞した場合は、物理学賞か化学賞か、共同受賞者は誰か、どの研究が評価されたかを冒頭へ追記します。
アイキャッチ写真:Dennis Schroeder / National Renewable Energy Laboratory、Wikimedia Commons、Public domain。宮坂教授本人や宮坂研究室の試作品ではなく、実物のペロブスカイト太陽電池を示す参考写真です。トリミング・文字入れを行っています。
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