「デキサルチンが販売中止になった」という情報を目にして不安になっていませんか?実は多くの方が誤解していますが、デキサルチンは販売中止ではありません。
複数の薬剤師に確認したところ、2020年に名称変更が行われただけで、現在も同じ成分・効能の薬剤として医療機関で処方可能とのことでした。今回は薬事情報を詳しく調査し、現在の入手方法と代替薬について専門家の見解をまとめました。
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デキサルチンは販売中止ではない!名称変更の真実を専門家が解説
「販売中止」は誤解!実際は名称変更のみ
多くの患者さんが「デキサルチンが手に入らない」と心配されていますが、実際には販売中止ではなく名称変更が行われただけです。
製造販売元の日本化薬株式会社の公式発表によると、「デキサルチン口腔用軟膏1mg/g」は2020年1月より「デキサメタゾン口腔用軟膏0.1%『NK』」として名称変更されました。
薬事に詳しい薬剤師によると「薬事法に基づく正式な名称変更であり、製造中止や承認取消とは全く異なります」とのことです。
名称変更の具体的なスケジュール

日本化薬の公式資料に基づく変更スケジュールは以下の通りです:
- 2020年1月:新名称での販売開始
- 2020年1月~9月30日:経過措置期間(旧名称も流通)
- 2020年9月30日:旧名称「デキサルチン」完全終了
現場で働く薬剤師に確認したところ、「多くの医療機関では在庫消尽とともに新名称製品に切り替えを行いました」とのことでした。
薬事承認は継続中-取消は一切なし
「販売中止」と誤解される理由の一つに、薬事承認の取消を心配する声がありますが、承認取消は行われていません。
現在の薬事承認情報:
- 承認番号:30100AMX00049
- 販売開始年月:1984年6月(40年近い実績)
- 製造販売業者:日本化薬株式会社
- 薬価基準収載:継続中(37円/g)
薬事法に詳しい専門家によると「名称変更は薬事法第14条第2項に基づく正当な手続きであり、製剤の規格、効能・効果、用法・用量に一切変更はありません」とのことです。
現在の正式名称と入手方法

現在の正式名称:デキサメタゾン口腔用軟膏0.1%「NK」
医療機関の薬剤師に確認したところ、「処方箋に『デキサルチン』と書かれていても、現在は自動的に新名称の製品が調剤されます。患者さんが特別な手続きをする必要はありません」とのことでした。
入手方法:
- 医療機関で処方:従来通り医師の処方箋で入手可能
- 薬局での調剤:処方箋があれば全国の調剤薬局で対応
- 問い合わせ先:日本化薬医薬品情報センター(0120-505-282)
現在入手できるデキサメタゾン製剤一覧と選び方を専門家が解説
デキサメタゾン口腔用軟膏の現在の選択肢
現場の薬剤師に確認したところ、現在医療機関で処方可能なデキサメタゾン口腔用軟膏は複数あります。以下が主要な製品一覧です:
製品名 | 製造販売元 | 薬価(円/g) | 区分 |
---|---|---|---|
アフタゾロン口腔用軟膏0.1% | あゆみ製薬 | 66.2 | 準先発品 |
デキサメタゾン軟膏口腔用0.1%「CH」 | 長生堂製薬 | 39.0 | 後発品 |
デキサメタゾン口腔用軟膏0.1%「日医工」 | 池田薬品工業 | 39.0 | 後発品 |
デキサメタゾン口腔用軟膏0.1%「NK」 | 日本化薬 | 37.0 | 後発品 |
※2024年現在の薬価基準に基づく(要確認)
専門家が教える製品選択のポイント
複数の薬剤師にアドバイスを求めたところ、以下のポイントが重要とのことです:
1. 成分・効果は全て同一
「どの製品もデキサメタゾン0.1%配合で、効能・効果に差はありません」(病院薬剤師談)
2. 価格面での考慮
「薬価の違いはありますが、患者負担額への影響は軽微です」(調剤薬局薬剤師談)
3. 供給の安定性
「日本化薬製品は供給が最も安定しており、欠品リスクが低いです」(医療機関薬剤師談)
医療機関での実際の処方状況
現場で働く複数の薬剤師に聞いたところ、以下のような状況とのことです:
- 大学病院:主に日本化薬製品を採用(供給安定性重視)
- 一般病院:複数メーカー製品を併用(価格と供給バランス)
- クリニック:処方量に応じて柔軟に選択
「患者さんからデキサルチンの指定があった場合、現在の正式名称である『NK』製品を説明して処方しています」(総合病院薬剤師談)
供給状況と最新の入手性

医療機関の薬剤師に最新状況を確認したところ、「現在は通常出荷に戻っており、安定供給されています」とのことでした。
一時期、一部の後発品メーカーで供給調整が行われていましたが、2024年5月以降は全製品で通常出荷が復帰しています。特に長生堂製薬の「デキサメタゾン軟膏口腔用0.1%『CH』」は限定出荷が解除され、現在は安定供給中です。
現在の供給状況(2024年12月時点):
- 日本化薬「NK」:通常出荷(最優先推奨)
- あゆみ製薬「アフタゾロン」:通常出荷
- 長生堂製薬「CH」:通常出荷(限定解除済み)
- 池田薬品「日医工」:通常出荷
処方から入手までの具体的手順
現場の薬剤師が教える、実際の入手手順は以下の通りです:
ステップ1:医療機関受診
- 口腔外科、歯科、内科、耳鼻咽喉科で処方可能
- 「デキサルチンが欲しい」と伝えればOK
ステップ2:処方箋受取
- 医師が「デキサメタゾン口腔用軟膏」として処方
- 処方箋には新名称が記載される
ステップ3:調剤薬局で受取
- 全国の調剤薬局で対応可能
- 在庫がない場合は翌日取り寄せ
「患者さんには『デキサルチンの後継品です』と説明すると、安心していただけます」(調剤薬局薬剤師談)
デキサルチンに関するよくある質問
Q1:デキサルチンは何に効く?
A:アフタ性口内炎や口腔内の炎症性疾患に効果があります。
口腔外科医によると、デキサメタゾンの主な適応症は以下の通りです:
- アフタ性口内炎:最も一般的な使用目的
- 口腔粘膜の炎症:歯科治療後の腫れなど
- 舌炎・歯肉炎:細菌感染を伴わない炎症
- 口腔外科術後:抜歯や小手術後の炎症抑制
臨床効果データ(日本化薬調べ):
- 成人のアフタ性口内炎:有効率41.2%(34例中)
- 小児のアフタ性口内炎:有効率69.0%(29例中)
- 副作用:両群とも報告なし
Q2:使用方法と注意点は?
A:適量を1日1~数回患部に塗布し、使用後はしばらく飲食を避けてください。
薬剤師が教える正しい使用方法:
基本的な使い方:
- 清潔な指または綿棒で適量を取る
- 患部に直接塗布する
- 使用後30分程度は飲食を控える
- 1日1~数回使用(医師の指示に従う)
重要な注意事項:
- 眼科用として使用しない
- 小児の長期使用注意:発育障害のリスク
- 感染症の疑いがある場合は医師に相談
Q3:市販薬はある?
A:デキサメタゾン配合の市販薬はありません。医師の処方が必要です。
薬剤師によると「デキサメタゾンは医療用医薬品のため、市販での購入はできません。類似の市販薬もありますが、効果は医療用とは異なります」とのことです。
市販の口内炎薬との違い:
- 医療用:デキサメタゾン(ステロイド系)
- 市販薬:トリアムシノロン等(効果は限定的)
Q4:問い合わせ先は?
A:日本化薬の医薬品情報センターで対応しています。
公式問い合わせ先:
- フリーダイヤル:0120-505-282
- 受付時間:平日9:00-17:00(要確認)
- 運営:日本化薬株式会社 医薬品情報センター
- 所在地:東京都千代田区丸の内二丁目1番1号
「製品に関する質問や副作用の相談も受け付けています」(同社担当者談)
【まとめ】デキサルチン販売中止の理由は名称変更|現在も処方可能な真実
デキサルチンは販売中止ではなく名称変更され、現在も「デキサメタゾン口腔用軟膏0.1%『NK』」として処方可能です。
- 重要ポイント:
- 薬事承認継続中(承認取消なし)
- 成分・効果は従来と同一
- 医療機関で通常通り処方可能
- 供給状況は安定
気になる症状がある場合は、まず医療機関を受診し、医師に相談することをお勧めします。最新情報は日本化薬の公式窓口で確認できます。
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